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Spark Your Curiosity!

~1年生へのメッセージ~

好奇心を追求する「理学部」へようこそ!

物理学教室界隈の学生・教員からエールを送ります

研究室名の青いリンクをクリックすると、各研究室の紹介PDFを閲覧できます。

気になる研究室を見つけた方は、ぜひLINKSのページから各研究室のWebページも訪問してみてください。

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KMI-ITbM Joint website の掲載メッセージは

こちらからご覧下さい!

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※ 所属は2020年4月時点での情報です。
中澤 知洋

宇宙物理学研究室

高エネルギー天文学グループ(Uxg研)

准教授 中澤 知洋

  COVID-19の状況で受験を乗り越えられた強者の皆さん、ようこそ名古屋大学へ。心から歓迎いたします。昨年は学生も教員も、みんなが「コロナ時代の1年生」という中で、緊急事態宣言で対面授業ができない中でも学びを止めないために、遠隔授業をゼロから立ち上げたり自宅でも物理実験ができるように全く新しい教程を導入するなど、皆の大きな努力でなんとか乗り越えてきました。うまくできたことも、できなかったこともあったと思いますが、一定レベルの結果は出せました。今年はワクチンや治療薬の普及に期待しつつできるだけ対面講義をすると思います。もしコロナがぶり返した時でも昨年の経験を生かして遠隔講義・実験もできます。大きく発展したオンライン授業により、大学は新しいツール・新しい可能性を手に入れました。今年はそれを用いてさらに良い授業・実験ができないか、工夫が続きます。みなさんは今、大学の講義・実験の変革の時代に生きています。いや、社会自体の変革の時代に生きているのです。さて、大学に入って大事なことの一つに、「自分から動く」ということがあります。皆さんの意見や質問、提案など、一つ一つが、「新たなコロナ時代」の財産です。ぜひ色々と意見をくれると良いと思います。それがみなさんの大学生活を切り開き、新しい社会を切り開きます。大変な時代に、わからないこと・できないことは悪いことではありません。「自分から動く」ことで、それをわかるように・できるようにすることが大事ですし、「自分から動く」ことでどんどんと世界が広げる、これが大学です。

 例えば大学は先端の研究者が沢山いて、学問を教えてくれます。皆さんが基礎的な物理や数学を学ぶことになる先生方の大半は、実際に科学の先端で日々研究を実践しています。これはチャンスです。皆さんの好奇心に任せて、そうした先端の研究の面白さを、ぜひ色々聞いてみてください。そういった質問は大歓迎です(参考リンク: 名古屋大学 物理学教室)

 

 私自身はX線観測装置を人工衛星に乗せて、宇宙の彼方にあるブラックホールや銀河団などの高エネルギー天体を観測する研究をしています(参考リンク: Uxg研 Webページ)そうです、理学部の先生でも、「人工衛星を作って、ロケットで打ち上げる」のです(私はJAXA宇宙科学研究所にいたこともあります)。新しい自然現象の発見や観測(物理計測)のために、物理学はあらゆる手段を使います。もちろん、紙と鉛筆やコンピュータで進める理論研究もあります。山奥に洞窟を掘ってダークマターやニュートリノの測定をしたりもします。実験室で電気炉を使って全く新しい素材を開発する研究もあります。

 皆さんの目の前には、「多様な、先端の、物理研究」の世界が待っています。そこは未知の世界を探検する場、フロンティアを開拓する場です。答えがないかもしれない問題に立ち向かう、独特の勇気がいる作業ですが、それを支えるのは好奇心です。知りたい、もう少し調べれば謎が解決しそう、その扉を開く瞬間に立ち会いたい、その扉を自分の手で開きたい。これが研究です。フロンティアの開拓をするということは、今はまだ教科書に書かれていないこと、10年後 20年後に教科書に書かれることを研究していることになります。時には、今の教科書を塗り替えるような発見もあります。

 先に述べたように、大学は「自分から動く」ことが大事です。好奇心に任せて、調べ、聞き、そして新たな世界を見て、新たな、今の君たちが想像もしない新しい世界への好奇心を生み出す。そんな有意義な大学生活になると良いですね。

高エネルギー素粒子物理学研究室(N研)

博士前期課程 学生

 まずは皆さん、名古屋大学へのご入学おめでとうございます。しかし、その矢先のCOVID-19感染症拡大により思い描いていた大学生活とは随分離れた生活を強いられていることでしょう。特に県外から来て一人暮らしを始めた方は不安も大きいと思いますが、この状況もいずれは解消されると信じて乗り越えていきましょう。在宅ワークをはじめ、今できるようなアルバイトを探してみるのも気分を変えるのに良いかもしれません。

 さて、現在は遠隔で行われている講義ですが、受講した感想はどうでしょうか。学部1年生のこの時期だとまだ高校の内容に近いことしかやっていないかもしれませんが、大学の講義は全て研究を見据えています。その研究は各分野での世界最先端であるはずで、皆さんもいずれその中でまだ誰もやっていないことに挑戦することになると思います。講義の内外で皆さんが研究したい分野を探していくとモチベーションも上がるかもしれません。

 私が所属しているN研は素粒子実験系研究室のうち、加速器実験を行っている研究室です。興味があれば是非HPも覗いてみてください。(参考リンク: N研 Webページ)

機能性物質物性研究室(V研)

教授 寺崎 一郎

 今回の新型コロナ感染症は社会的にも経済的にも100年に1度という衝撃と言われています。そのような時期に入学が重なったこと、本当に大変なことと思います。おそらく昨日と同じ明日は来ないでしょう。

 ですが、個々人で見ればこれに匹敵する経験をしている人々は世界中にいます。戦争を別にしても、中国の文化大革命、ソビエト連邦の崩壊、東西ドイツの統一、東日本大震災等の被災者のみなさんなど。かつて、ソビエト連邦の崩壊で全てをなくした50代のロシア人物理学者が、私の当時の職場にポスト・ドクターとなって参加しました。自分の子供みたいな人に使われて、心中さぞやと思いましたが、ある時彼が言った言葉が忘れられません。「良く死ぬことは難しくない、良く生きればいいんだ」。社会主義の嵐の中を生き抜いたロシア人の気骨をみた気がしました。彼のようにはいかないまでも、私もみなさんとともにこの災厄を乗り切って、良く生きていきたいと思います。(参考リンク: 夢ナビライブ)

素粒子物性研究室(Φ研)

准教授 ​北口雅暁

「ほんとうの、自由のために」

自分の疑問に本気で向き合う自由 偏見なく対等に議論する自由

巨人の肩の上に立ち、自由に世界を見るために一緒にがんばろう

宇宙論研究室(C研)

講師 西澤 淳

 入学して早々、講義が受けられない!? なんて悶々とした日々をお過ごしのことと思います。しかし、これは皆さんに課せられた試練と思ってみてはどうでしょうか。

 名古屋大学では学生・教員の最も重要な職務は「研究」です。皆さんが 3年間の大学での学習を終えた後にも「卒業研究」という名の研究を行うことになります。 研究の醍醐味は、世界中の誰もがまだ知らないことを自分だけが知っているという興奮を得ることだと思っています。そして、この素晴らしい体験をするためには、ひたすら地道な日々の研究活動を重ねるしかありません。そしてそれは時に思い通りには行きません。何しろ、答えがない問題を解いている訳ですから。

 今回の騒動は、この研究活動に似ています。研究を進めるにあたり、自分の思い通りにいかないことは多々あります。今回せっかく不便な体験をした訳ですから、この負の体験を正の解釈で、自らの糧に変換して頂けたらと思います。

素粒子論研究室(E研)

教授 ​久野 純治

 物理学基礎1の講義を担当してます。この講義を受けている学生は、微分積分など数学で学ぶことが多いため面食らっている人は多いと思います。より厳密に、より一般的に議論をおこなうため物理では数学が必要で、物理にとって数学は「言葉」と言えます。言葉の勉強に必要なことは、皆さん経験がある通り、文法を理解するとともに実際に使ってみることです。是非、自分の手を動かし理解を深め、また友達と数式を使って議論を行い、数学を自分の言葉にして、新しい世界を見てみてください。

 私の所属する素粒子宇宙起源研究所(KMI)は、小林誠、益川敏英両先生が 2008年にノーベル賞を受賞されたことをうけ、2010年に設立されました。この研究所では物質の根源である素粒子とそのいれものである宇宙の最先端の研究を行っています。是非、研究所のHPや講演会などに来て、最先端科学のワクワク感を感じ取ってください。

高エネルギー素粒子物理学研究室(N研)

教授 飯嶋 徹

 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私が大学に入ったのはもう35年前?(サバ読んでます!)のことですが、その頃のことをちょっと書いてみます。    

 当時私は、今やっている素粒子の研究よりは、生物学に興味があった。中学3年の頃、生命の遺伝現象が、DNAの複製という、中学生でもわかるようなシンプルな原理で理解できることに非常に感動したのが始まりで、その頃は物理には興味がなかった(嫌いだった。。。)。それが、大学に入る頃、周長が約 7 kmもあるヨーロッパの陽子・反陽子衝突加速器の実験でウィーク・ボゾンという素粒子が見つかった。その新聞記事を見て、研究の壮大さに圧倒され、「人類ってこんなことできるんだ!」と素直に感動した(ちなみに、今、人類はこの加速器を入射器として周長 27 kmの「LHC」を建設しヒッグス粒子を見つけた。人類ってすごい!)。それで、大学生の時に、日本でも「トリスタン」という大型加速器でトップクォークを見つけようという計画があり、この粒子を予言した益川さんも大学にいた。周囲には色んな興味を持っている仲間がおり、色々話して刺激を受けた。そんなわけで徐々に素粒子の研究に惹かれ、今はトリスタンの後継加速器の「Bファクトリー」という加速器実験で新粒子を探している。(参考リンク: N研 Webページ当時の仲間との付き合いは今だに続いている(同じく名大の教員になった人も)。

 というわけで、皆さんには、好奇心をもって、自分が本当に面白い!と思えることを見つけて欲しいと思います。大学には色々な研究をやってる人たち、色々なことに興味をもっている仲間がいます。勉強も大事ですが、人との出会いも重要。今は新型コロナの影響でたいへんですが、色んな学問と出会い、色んな人と出会いましょう。そして、「面白い!」が見つかったら迷うことなく挑戦して欲しいと思います。もしも迷ったら、その時は必ずやる方を選んでください!(参考リンク: 飯嶋 徹 個人Webページ

 新1年生のみなさん、こんにちは! いろいろな目標や希望を胸に入学されたことと思いますが、出だしから何かと制限の多い不便な学生生活を強いられてしまい、さぞや大変なことと想像します。キャンパスに通わないまま大学での研究生活のイメージを持つことは難しいでしょうから、少しでもお手伝いできるよう、私の研究室での研究を紹介します。

 銀河進化学研究室(Ω研)は、見える範囲の宇宙に1000億個も存在する銀河という天体について、その起源と進化を研究しています。(参考リンク: Ω研 Webページ)たとえば私たちの住む銀河系は直径が10万光年(1光年は約10兆km)というとてつもなく巨大な構造で、1000億個ほどの星とガスと塵からなる星間物質、そして大量の暗黒物質(ダークマター)で構成されています。聞いたことがあるかもしれませんが、誕生直後の宇宙の物質はほぼ一様で、天体は存在していませんでした。物質のほんの少し密度の高い部分が重力で集まって成長し、銀河のような巨大な天体を形成してきたのです。そして銀河同士も重力で引き合い、時に合体し、また銀河の集団を形成したりします。

 銀河にはさまざまな形があり、また明るさ、重さも6桁以上にわたって広く分布しています。しかも、銀河の重さや色、明るさによって、集まり具合(どれくらい密集しているか)も異なっているのです。これは1980年に発見された不思議な性質で、銀河は個別に時間進化してきただけでなく、その誕生した環境、あるいは生育環境によって性質を変えてきたことを意味します。宇宙全体を物理学の対象とする分野を宇宙論といいます。宇宙論が扱うスケール(典型的に10億光年くらい)から銀河のスケール(数万光年)、そして銀河の内部構造のスケール(数光年)までが複雑に関与しながら時間的に発展してきたのです。

このような複雑怪奇な銀河の形成と進化を宇宙論と天体物理から解明するため、Ω研では次の3つの方法によって研究を進めています。

 1. 物理学の理論から現象を再現するモデルを構築する理論的アプローチ、

 2. 観測データから現象を記述し、理論を制限する観測的アプローチ、

 3. 観測データに機械学習などを用いて人間にはできない法則を発見し、

  理論につながるよう定式化するデータ科学的アプローチ。

 銀河の研究をしている研究室は日本にいくつかありますが、ほぼ 1 か 2 のどちらか、あるいは 1 と 2 を進めているところばかりです。3 はここ数年で可能になった新しい研究方法で、Ω研では単なる道具としてではなく、データ科学による新法則の発見と定量化という物理学の本質に迫ることのできる方法を構築しています。

 銀河の物理は天体物理学のうちの1分野であり、宇宙論や素粒子物理学と比べて狭いくくりの研究対象ではありますが、関係する物理がとても広く豊かであるため、天体物理学を推進する中心的課題であり続けています。私たちは小さな研究室ですが、個性的な研究成果を出し続けてきたことで、独特の存在感で世界に知られていることが誇りです。銀河という天体に少しでも興味を持っていただければ幸いです。

銀河進化学研究室(Ω研)

准教授​ 竹内 努(Tsutomu T. TAKEUCHI)

素粒子宇宙起源研究所(KMI)

研究員 中 竜大

 大学は、学問を基盤とし、自らの好奇心の追求と世の中を必ずしも世間の常識とは違った原理で考えを巡らすことができる場です。是非、パンデミックという世界的危機をプラスに考え、新たなことを学び、考え、豊かな大学生活を作っていってください。

天体物理学研究室(A研)

准教授 立原 研悟

 今は誰もが大変な時期ですね。物理学においては、今や国際共同研究が当たり前の世の中なので、海外出張に行けずにみんな困っています。私たちのグループも、海外(特にチリ)にある望遠鏡を使いたいのに渡航できず、学生たちから「早くチリに行って観測したい!」という声を聞くたび、悔しい思いです。でもこの状況には必ず終わりがきます。皆さんが4年生になって研究室で会える時には、事態はきっと良くなっていて、ワクワクするような実験をしたり、観測データを解析して、思いっきり研究できることでしょう。私たちも、望遠鏡の調子を万全に整えて、その日を待ちたいと思います。

理論宇宙物理学研究室(TA研)

特任助教 藤井 悠里

 

 予想外の始まり方になったかもしれませんが、大学生活は楽しめていますか。専門・教養に関わらず、面白いという気持ちに正直に勉強してみてください。この知識は今後の人生で使うことはないだろうと確信していた教養科目の内容が、実はその後の研究に役立つ内容だったということもあったりします。だからと言って、興味が持てない教科を捨てていいわけではないですが。私は授業でプログラミングを習った当時は、「これは一生使わないだろうからよく分からなくてもまあいいや」と思っていました。まさか数値シミュレーションを使って研究することになるとは想像もしていませんでした。何が起こるかわからないことも研究の魅力かもしれません。(参考リンク: TA研 Webページ)

高エネルギー素粒子物理学研究室(N研)

准教授 ​中浜 優

 5年後、15年後、30年後になりたい自分はありますか? 大きな夢を抱いてください。自身の行動次第で、未来は拓けます。

 名古屋大学KMIでは、素粒子・宇宙の謎を解明すべく、最先端研究が日夜行われています。素粒子は物質を分割した最小単位です。私は、スイスCERNにある世界最高エネルギー粒子加速器 (ビッグバン製造機) を用いて、究極の法則を実験的に明らかにします。

 研究を自分の手で行うには、もちろん専門的知識が必要です。専門講義は重要です。また、様々な大学講義・実習を通じて、論理的に思考する力、俯瞰する力、コミュニケーション能力を養いましょう。研究でも社会でも役立ちます。

 名古屋大学では、皆さんの夢実現に向けた努力・成長をサポートする体制が整っています。大学生という身分は、特別です。積極的に様々な経験をしてください。アンテナを広げて、周りを巻き込んで。(参考リンク: N研 Webページ)

工学研究科応用物理学専攻

電子線ナノ物理工学

教授 ​齋藤 晃

 今回の新型コロナ拡大で分かったこと。それは、どんなときでも物理を考えることは楽しいことです。外出自粛のこの時期に是非物理に必要な基礎を身につけてください。それから工学部にも物理の基礎的な研究をしている研究室があることを覚えておいてください。(参考リンク: 齋藤研究室 Webページ)

素粒子論研究室(E研)

博士後期課程 学生

新入生の皆さん、

 新型コロナウイルスが猛威を振るい、大変な状況が続いています。

ティーチングアシスタントの仕事をしていると、新入生にも大きな影響があったと強く感じることがあります。本来なら、講義の前後に学生同士で勉強や生活のことを話し合ったりして楽しい時間を過ごすのですが、今年はそうはいかないようです。新入生の皆さんの中には大学での講義がつまらないと感じている方もいるかもしれません。

 しかし、ここで諦めてはいけません。物理学に限らず、大学の講義は学部4年間とその後の人生を豊かにするものです。また、物理学科では、学生の皆さんが理解しやすく、卒業研究およびその後の研究活動に役立つように先生方がカリキュラムを考えています。

学部1年生が学習する内容は物理学の考え方を習得するとても重要な部分で、

ここを無視してしまうと、量子力学や相対論などの上級な物理学を理解しづらくしてしまいます。さらに、物理学の研究というのはわからないこと・知らないことをこの物理学の考え方に基づいて明らかにすることです。実は、研究という分野の最先端でも1年生のときに習うことが役立つのです。

 わからないことがわかったときの楽しさは何ものにも代えがたいものです。この瞬間は皆さんが努力していれば必ずいつかやってきます。そのためにも、このコロナ禍に負けず、今勉強していることを大切にしてください。

宇宙論研究室(C研)

助教 横山 修一郎

 「宇宙」には「まだ見ぬ」世界が無限に広がっています。その世界を「見る」ためには、学部での基礎物理習得と、「ぼーっと」思いを馳せる時間も必要です。今の状況をプラスに捉え、「ぼーっと」する時間も大切に日々過ごしてください。

宇宙物理学研究室

高エネルギー天文学グループ(Uxg研)

教授 川村 静児

 このような厳しい状況の中でも最善を尽くして、自分の楽しみを見つけてほしいと思います。そうしていれば、きっといつか明るい未来がぱーっと開けてくるはずです。

素粒子物性研究室(Φ研)

教授 清水 裕彦

 みなさん、いろいろなことができなくて悶々としているかもしれません。でも去年と同じことができないだけです。去年まではしていなかったことを皆さんは実行しています。そこには大きな可能性が潜んでいると思います。

(参考リンク: Φ研 Webページ)

素粒子宇宙起源研究所(KMI)

准教授 Alessandro Gaz

These are indeed extraordinary times, the COVID-19 pandemic is putting a lot of stress in our lives and is creating a painful sense of uncertainty, which is affecting mostly those who are working hard to build their future. It is easy to feel discouraged, but what this situation is showing us is that we need more science and cooperation to fight the disease and build a better and more resilient society. For sure these hard times will pass and there will be a lot of things to re-build: we will need all your strength and enthusiasm to succeed!

高エネルギー素粒子物理学研究室(N研)

博士前期課程 学生

 皆さんはこの世界がどのように作られ、どのようなルールの下で動いているのかに興味はありますか?研究を通じて、その謎をあなたの力によって解くことができるかもしれません。これから大学で行われる講義を土台に、自分の興味を広げていけばきっと素晴らしい研究を行うことができるはずです。ぜひ、あなたの好奇心を忘れずに、目標を持って大学生活を送っていってください。

素粒子宇宙起源研究所(KMI)

助教 ​小林 洸

 

 この世界は謎だらけです。新型コロナウイルスの行く末も、宇宙のビッグバンが起こった理由も、私達が存在するために欠かせないバリオン非対称性の起源も、宇宙の運命を決める暗黒エネルギーの正体も、誰も知りません。しかしこのような大きな問題に挑まずにはいられない人にとって、名古屋大学での日々は刺激的なものとなるはずです。いつか一緒に研究できる事を楽しみにしています!

高エネルギー素粒子物理学研究室(N研)

博士前期課程 学生

  自然界を理解するためには、その最小要素である"素粒子"を理解しなければいけません。同じように、社会を構成する最小要素はひとりひとりの"人"です。社会全体が厳しい状況に直面していますが、現状を打破するにはみなさん一人一人の強い気持ちが必要です。
 アドラー心理学に、"共同体感覚"という言葉が定義されています。みなさんを含めた我々の勉強、研究は決して自分のためだけのものではありません。みなさんが全力で勉強に取り組み、その先にある研究を推し進めていくことは、人類の叡智を獲得することに繋がります。その成果はきっと誰かを救うことになるはずです。

素粒子論研究室(E研)

博士後期課程 学生

新1年生の皆様、

 合格を自らの努力で勝ち取り期待で胸を踊らせて入学された中で、このコロナで同級生と直接会うこともできない精神的にも苦しい生活を強いられていることに対して、もし自分の8年前に置き換えると苦痛であることが容易に想像ができ、非常に心が痛みます。

 さて大学は自由なところです。活用次第で、他大学、多人種、全く異なる年齢の人々との関わりが可能になります。また、問いや目標を独自に設定し共同研究者を集め、世界中の研究者と対等に議論したり論文を発表したりなどの研究活動も可能です。

研究は、好きなことを好きなだけやって、ある事柄にガチ勢になることに対して誰に何も遠慮する必要のない、自由な世界です。

 この状況下でそれぞれが、健康に過ごし日々の中で何か楽しめるような発見ができることを望みます。数年後、皆さんの中から想像のつかないアイデアや、共同研究できるような人が出てくることをとても楽しみにしています。

素粒子宇宙起源研究所(KMI)

研究員 ​南崎 梓

 私は、学生時代、漠然と「存在」するってどういうことだろう?という疑問を持ち、物理学科に所属していましたが、哲学科の講義に出たり、芸術の授業に出たり、写真部で活動をしたり、色んなことをしていました。そんな中、夏休みに「シュレディンガーの猫」という本に出会って現代物理学の黎明期や量子力学・相対性理論の話を夢中で読み「反物質」という言葉に出会いました。物質に「反」を付けるだけで、全く意味不明になります。しかし、何か深淵なものを感じ、無性に惹きつけられました。さらに、反物質の研究を通して、もやもやとしていた「存在」というテーマに確かに迫れるような気がしました。

 結局、大学院で素粒子物理の道に進み、宇宙初期に同量存在したはずの物質と反物質の性質の非対称性について研究しました。大学院時代には、研究に没頭して日本の総理大臣が変わったのにしばらく気がつかなかったことがありました。それが成人として良い姿かどうかはさておき、それくらい、楽しかったんです。

 振り返ってみると、今の私を形作っているものの多くは学生時代に得たものだなと感じます。物理もそれ以外の授業も、夢中で読んだ本も、学業と全く関係ない趣味も、全部です。どれも無駄にはならず、何らかの形で蓄積されているもんだな、と思いました。だから皆さん、学生時代のうちに「面白そう」「好きかも」「何だろう?」を存分に試してください。知的好奇心を満たしまくることは大学生の特権です。今は厳しい時期ですが、色んなことを思索するチャンスにもなりますように。体と心を大切に過ごしてくださいね。

素粒子論研究室(E研)

博士後期課程 学生

 現状、新入生の皆さんは、大学の「日常」の姿すら見えていないと思います。そんな中で、講義の先に待っている研究の魅力はなおさら見通せないことでしょう。しかし、きっと日々の講義体験の中に、皆さんの未来の研究・探究テーマにつながる扉が散りばめられていると信じています。自分の中のどきどき・わくわくに素直に従い、その扉を開けて、自分だけの探究テーマを見つけてください。応援しています。

 実は、私が現在の研究分野「素粒子宇宙論」に興味を持ったのも、大学の原子核物理の講義がきっかけでした。原子核に関する基本的な説明を一通り終えた後、先生が話してくれたのは「この世界のはじめの三分間」、すなわち初期宇宙における粒子の姿でした。かつて灼熱の火の玉であった宇宙が現在の姿に至るまで、「宇宙の材料」である粒子たちの性質や振る舞いによって、宇宙の情景は鮮やかに変わっていったのです。この講義を通して、素粒子や原子核というミクロな粒子描像としての物質の理解が、マクロな宇宙現象の理解に結びつく不思議を垣間見ました。このとき感じた物理の魅力・面白さが、私の研究の原点です。

 私は現在、素粒子論研究室(E研)に所属しています。E研の”E”は、Elementaryの”E”とも言われる通り、「自然界のもっとも基本的・根本的な法則は何か」という問いに対して、研究室メンバーそれぞれの切り口から探究を行っています。特に私たちは、自然の根本的な性質に迫るためには、素粒子の理論的研究が重要であると考えています。素粒子とは、物質を究極的にミクロに見た姿です。この意味で、素粒子論の研究は、物質の最も基本的な性質の理解に直接的につながります。さらに、上で述べたように、素粒子の性質は初期宇宙の現象とも深く結びついています。「私たちはどのように生まれ、どのような歴史を経て、いまここにいるのか。」この大いなる謎を解明する上でも、素粒子というミクロな視点からの現象の理解は必要不可欠です。E研で研究に携わることで、素粒子と宇宙、ミクロとマクロ、一見対極に見えるものごとが物理を通して結びついてしまう面白さを日々実感しています。(参考リンク: E研 Webページ)

 最後になりましたが、皆さんの名古屋大学での生活が実り多きものとなりますように。応援しています。大変な時期ではありますが、一緒に工夫を重ねて一歩ずつ進んでいきましょう!

高エネルギー素粒子物理学研究室(N研)

博士後期課程 学生

 私たちは、物質を構成する最小単位である”素粒子”に着目し、その性質理解や新物理の発見を通じて、未だ解明されていない宇宙の謎を解き明かすことを目指しています。高校の授業や大学の講義の中ではすでに観測されている物理現象を学ぶことが中心でしたが、研究室では学部などで蓄えた基礎知識を生かし、宇宙の謎を解き明かし得る””未発見””の物理現象を発見するにはどんな実験が必要かといった現時点で誰も答えを知らないことに対して答えを見つけようと研究を行なっています。

 今年はオンライン授業などでなかなか思い描いた通りの大学生活を送ることが難しい現状かと思いますが、ネガティブになりすぎず、こんな時だから将来をゆっくり考えることができるなどとプラスに考え、将来進みたい道・やりたい研究の手がかりを見つけるなどしてみてください!

北口雅暁
N研修士①
西澤 淳
久野 純治
竹内 努
立原 研悟
藤井 悠里
中浜 優
齋藤 晃
E研博士①
横山 修一郎
川村 静児
Alessandro Gaz
N研修士②
小林 洸
N研修士③
E研博士②
KMI研究員 と匿名希望
E研博士③
飯嶋 徹
清水 裕彦
N研博士①
寺崎 一郎
中 竜大
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