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ラズベリーのアイスクリームコーン

素粒子にも「味」がある!?

 素粒子にも「味」があることが知られています。

・・・と言っても通常の意味の味ではありません。

 

 素粒子のクォークとレプトンの種類のことを、

「フレーバー(味・風味)」と呼ぶことになっています。現在ではクォークとレプトンに各々6種類のフレーバーが見つかっています。

アイスクリーム

 「クォークの父」ことマレー・ゲルマンは、陽子・中性子の中身をクォークと名付けクォーク模型を提唱し、1969年にノーベル物理学賞を受賞しました。その2年後に、彼は学生のハラルド・フリッチと共にアイスクリームを求めてバスキン・ロビンス(日本ではサーティワンアイスクリームとして知られています)を訪れ、クォークアイスクリームを見つけました。アイスクリームにおけるクォークとは、フレッシュチーズ味を意味しています。そこで、様々な「色」と様々な「味」を持つクォークアイスクリームを見た彼らは、素粒子のクォークの種類のことを「フレーバー」と表現するようになりました。命名のセンスもノーベル賞級ということでしょう。

 

 自然界の4つの力のうち、3つの力(電磁気力、強い力、重力)が加わる反応では、素粒子のフレーバーが変わらないということが知られています。逆に言えば、4つ目の力である「弱い力」が加わる反応でのみ、素粒子のフレーバーが変わります。このように、素粒子のフレーバーが変わるようなプロセスを実際に測定することによって、弱い力のみを調べることができます。このような研究は「フレーバー物理」と呼ばれ、これまで日本が世界をリードしてきた分野の一つです。

(KMI 特任助教 北原鉄平)

参考リンク

ここで紹介した逸話が載っているプレプリントのリンクです。ハラルド・フリッチ氏との personal communication が reference として引かれ、イントロダクションの冒頭で逸話が紹介されています。

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